Perl が本当はどういうものなのか本気で知りたいと思うなら、 こんなページを読むのはすぐにやめて、 書店で プログラミング Perl 改訂版 [Larry Wall, Tom Christianse, Randal L. Schwartz/近藤嘉雪 訳; オライリージャパン] を買ってくるべきだ。 他にも色々出てはいるが、結局この本が一番よい(なんといっても Perl の作者が書いている(といってそれだけでベストという理由にはならないが))。
とはいえ、Perl のすべてが書かれているラクダ本でも、利用していくうえで必要なすべての知識が書かれているというわけではない。 このページは、そういうスキマを埋めるためのものである。
Perl はプログラム言語のひとつだ。 分類としては、インタプリタ型の言語、特にスクリプト言語と呼ばれる部類に属する。 これがどういう意味なのかということを簡単に(つまり乱暴に)まとめると、こうなる。
正直いって、Perl が最初のプログラム言語になりそうな人には、できれば別の言語で勉強してからにしてもらいたい。 と、ちょっと前まで思っていたのだが、よく考えてみると自分だって最初のプログラム言語は N-BASIC だったんだからそれよりマシかな? とも思うようになった (そしてこのページを書く気にもなった)。 Perl はあらゆる意味で、簡単に始められる言語である。 プログラミングに興味を持ち、勉強を始めるきっかけになるなら、Perl を選ぶのも悪くはないだろう。 だができれば、2、3年以内に Perl にはケリをつけて、別の言語に乗り換えるようにすべきだと思う。 一番のおすすめは C 言語だ。 Perl の次にやるなら、C が一番楽なはずである。 もし Java を狙っているのなら、Perl はやらない方がよいと思う。 Perl と Java はギャップが大きすぎるので、かえって障害になりかねない。
Perl について説明を始める前に、いくつか片付けておくべき作業や、事前に覚えてもらいたい知識がある。 まずはそれを紹介しよう。
このページでは、Unix 環境、特に FreeBSD 3.X での利用に的を絞って説明する。 他の環境については、ケースバイケースで読み替えてもらうか、あきらめるかしてほしい。 たとえば Linux では、あまり違いはないと思う(責任はもてないが)。 Windows で Perl を使おうとするのは、演歌歌手としてデビューするためにパリへ行くのと同じぐらい意味がないからやめたほうがよい。
Perl は最近 Web サーバ用の CGI 記述言語として注目を浴びている (というかそれしか知らない、Perl == CGI だと思っている人も少なくない)。 しかし Web サーバは、得てして ftp アクセスしかできないケースが多い。 そういう状況では、制約が多いばかりでおもしろくないので、ここではフォローしない。 最低限、telnet でアクセスでき、まともなシェルがきちんと使える環境があることを前提とする。 自由に使えるホストであれば、それがローカルにあるかリモートかは問わない(っていうか区別の意味がないもんね)。
Perl を使っていく上で、Unix に関する知識は重要だ。 少なくともファイルとディレクトリに関する基礎知識は不可欠だ。 これにはパーミッションに関する諸問題と、操作に必要なコマンドも含まれる。 この種の基礎知識は、Unix 入門書を買って読めばよいと思う。 あいにく紹介できる Web ページはひとつも知らない。
最初に書いた通り FreeBSD 3.X を使うなら、Perl のバージョンは 5.005_02 になるはずだ。 他の環境で使っていくつもりなら、少なくとも最新バージョンを準備するよう努力してほしい。 最低限、ver 4 は避けるべきだ。 ver 5 には、4 にはない機能がたくさんあるし、そういう機能を避けたとしても動かなくなる致命的な事態が起こらないとも限らない。 第一 ver 4 を使い続けるメリットは「面倒なアップグレードを怠ける」ということ以外なにもない。
とはいえ、このページで紹介する Perl は、ほとんどが ver 4 の範囲に収まるはずである。