警察合唱隊

君なしじゃやっていけない

今日何度も電話したのに
君の友達が言ってたことは本当らしいね
もう僕とは会いたくないって
君の兄貴が僕を殺しにくるって
そいつは6フィート10インチもある大男だって
きっと君は臆病だっていうんだろう
でもこんなこと思いもよらなかったよ

君なしじゃやっていけないんだ

君が送り返してきた僕の手紙
傷だらけになったレコード
みんな僕の言葉に耳をかさなくなった
理由なんて分からないよ
度胸が足りないんだっていうんだろう
でもそんな人生に意味なんてないよ

君なしじゃやっていけないんだ

これが最後のお別れだね
僕は泣かないよ
君はかまっちゃくれないから
でも僕が死ねば君は後悔するだろう
罪悪感が頭に刻まれるだろう
きっと君は自殺だっていうんだろう
でも僕にだってプライドはあるんだ

君なしじゃやっていけないんだ


やることなすことすべてが魔法

君に話そうとしたんだ
僕の心からの気持ちを
ところが君に近づくと
僕の神経は参ってしまう
初めて会ったときと同じように

君のやることなすことすべては魔法
何をやっても僕はうっとり
悲惨だった僕の人生だけど
今は君への愛でいっぱいだ

話しておかなきゃならないのか
初めて会った日から何千という雨の日があったこと
十分大きな傘のはずなのに
いつも僕はびしょ濡れなんだ

君に電話しようと毎日1000回も決心するんだ
古くさいプロポーズをするつもりで
でも電話に手が届くはるか前に
恐怖心に捕らえられてしまうんだ
言葉ももつれて出てこない
僕はずっと一人きりなのかな

君のやることなすことすべては魔法
何をやっても僕はうっとり
悲惨だった僕の人生だけど
今は君への愛でいっぱいだ


月の上で散歩

君が踏み出す大きな一歩
僕の足が折れなきゃいいけど
僕らは永遠に歩いて行ける
僕らは一緒に生きていける
月の上を歩きながら

君の家から歩いて帰る
君の家から歩いて帰る
足がなかなか地に着かない
足音を立てるのが難しい
月の上を歩くには

誰かが言ってた
僕は人生を投げ出したがっていると
そんなことはないよ
それが支払うべきものならば
誰かが言ってた
あしたはあしただと
君はここにいる
僕は同じように遊べるんだ

続けよう
続けよう


いつの日か

今日もまた腹を空かせた子供が泣き始める
苦痛に満ちた墓場に生まれ
大波のような飢餓に溺れる
たった一人でもいい
救える子供を救って欲しい
アフリカが食料飢餓から逃れるなら
教育の飢餓からも逃れなければならない
砂漠は刻々と大きくなり
すべてを飲み込んでいく
子供たちは皆同じに見える
なぜ生まれてきたのかと訝っている

毒を癒すのは難しい
なぜなのか理由を知るのはなおさらだ
ひとつだけ確かなのは
いつの日かそれを知るだろうということ

今日もまた新しいミサイルが空を睨みつける
我々は幸運のゲームの生き残り
雪崩のような兵器に押しつぶされている
冬の寒さを生き延びることができても
ひとりぼっちになってしまうだろう
絶滅から希望を救いだすならば
教育も破壊させてはならない
篝火が世界を支配し
兵器が山のように積まれていく
そんなことに自分の金が使われていると
考えるのはつらい

毒を癒すのは難しい
なぜなのか理由を知るのはなおさらだ
ひとつだけ確かなのは
いつの日かそれを知るだろうということ

この汚れきった体が解けて雫へと分解されていく
倦怠によって窒息し単調さに溺れ不安に苛まれる
それは僕一人ではないはずだ
この混乱を生き延びることができるなら
僕は自分の知識を使わなければならない
篝火が世界を支配し
兵器が山のように積まれていく
そんなことに自分の金が使われていると
考えるのはつらい

毒を癒すのは難しい
なぜなのか理由を知るのはなおさらだ
ひとつだけ確かなのは
いつの日かそれを知るだろうということ


世界が衰退したら身近なものでなんとかする

ビデオのスイッチを入れる
何年も同じやつを使ってるんだ
タミー・ショウにジェームズ・ブラウンが出ている
何年も同じテープを見てるんだ
中古の車に乗る
何年も同じ車なんだ
古いバッテリーが上がっている
もう何年も使ってきたんだ

ラジオのスイッチを入れる
静電気が耳にうるさい
どこへ行くべきか教えてほしい
何年もどこへも出かけていない
ステレオのスイッチを入れる
何年もかけっぱなしなんだ
オーティス・レディングの歌
僕が持っているものすべて

マイクを接続
頭を鍛えよう
自分のレコードを作る
雨の日には出かけられない
電話を取りあげてみる
何年も耳をすませている
だれも僕に話しかけない
もう何年も耳をすませている

孤独を感じる時も
泣いて時間を無駄にしたりしない
もう一度ディープ・スロートをかけてみる
何年も見てきたやつだ
缶詰めもなくなってきた
好きじゃないんだけれど
もう何年も同じものを食べてきた
好きじゃないんだけれど

世界が衰退したら
身近なものでなんとかする


夜の幻影

夜の幻影を見つめる
暗闇が降りてくるのが分かる
山が崩れ落ち視界から消えていく
雷鳴のとどろきが聞こえる
夜の怪物を見て父を呼ぶ
暗闇が絡み付いて電灯を消すのを感じる

柔和な者が地球を引き継ぐべきだというけれど
それがどれほど長く続くだろう
豊作になっても意味はない
収穫する者が一人も残らないから

夜の幻影を見つめる


君のそば

君から遠く離れて暮すなんて
一日も耐えられそうにない
ここにいる理由は何もない
どうか連れていってくれ
道に迷いそうなんだ

家も売ったし車も売った
ただ君のそばにいたいんだ
銀行強盗もやるし飛行機も盗む
どうか連れていってくれ
もう気が狂いそうなんだ

いったいどうすればいいんだろう
ただ君のそばにいたいだけなんだ

1000人かそこらの女と付き合ったけど
こんな気持になったのは初めてだ
何が起ったのか分からないけど
どうか連れていってくれ
こっちを見てほしいんだ

医者は時間が解決するというけれど
僕の正気が失われていくのが分からないのか
ただの恋愛だというのなら
どうかそこへ連れていってくれ

いったいどうすればいいんだろう
ただ君のそばにいたいだけなんだ


彼女になってよサリー

彼女になってよ
彼女になってよ
僕とつきあってよ
ねえ

僕はひどく孤独で落ち込んで一睡もできないほどでした
深酒をしてやっと意識不明になるといった具合でした
何かがどうにかして間違ったようになってしまい
毎日が暗く死んだような感じでした
絶望の芽が頭のなかで育っていくようで
僕は新しい人生を始めるためのインスピレーションを必要としていました
愛情はあったのですが妻が欲しいとは思いません
でもある幸運な偶然から雑誌で見つけたのです
それは見たこともないような珍しい広告でした
「かつてない新しい輸入商品
忠実で暖かく空気で膨らむ保証付きの快楽」
彼女はペチャンコになってピンクのボール紙に包まれて届きました
今の惨状を乗りきるのに必要なのは息を吹き込むことだけでした
僕は彼女をベッドルームに連れていき少しばかり命を注入してやりました
そうして彼女は僕の妻になったのです
僕は彼女を部屋の隅に座らせて髪を撫でてやったりしました
淫らな気分になったときは彼女を吹き飛ばしたりしました
彼女はとてもかわいくてゴムマリのように弾みます
サリーが来てからというもの僕の人生は変わりました
僕は彼女をキッチンや広間で弾ませてやります
朝起きてから僕はトレイの上の彼女を味わうのです
僕はほほえみます
彼女は僕にとってすべてなのです
ただひとつ気にかかることは彼女がピンを身につけたときのことなんです

彼女になってよ
彼女になってよ
僕とつきあってよ
ねえ


苦痛の王

今日も太陽に黒点が見える
昨日と同じいつも通りのこと
高い木の頂きにひっかかった黒い帽子
おさまらない風に吹かれる旗竿
そこに僕の魂がある

かつて僕は雨の中そこに立っていた
僕の頭の中で世界がぐるぐると回っていた
苦痛の王になることが僕の運命なのか
君ならこの支配を終りにできると思っていたのに

高い断崖に埋まった化石
滝の中で死んだ鮭
大潮が引いた後に打ち上げられた鯨
蜘蛛の巣に捕らえられた蝶
そこに僕の魂がある

玉座に腰掛ける目を潰された王
不信の影におびえる盲
黄金のベッドに眠る金持ち
パンで喉を詰まらせた骸骨

狩人の罠に引き裂かれた狐
背中を痛めた黒い羽のかもめ
今日もまた太陽に黒点が見える
昨日と同じいつも通りのこと
そこに僕の魂がある


君の指に包まれて

君は僕を徒弟と考えている
暗礁と渦に挟まれて追い詰められた若造だと
ぐずぐずしているうちに君は僕を麻痺させる
君の指に光る指輪で

学校では教えてくれない
そんな知識を求めてここへやってきたのに
君は運命を売りに出して
輝く黄金のバンドへ変える

僕は君の指に包まれる

君はメフィストフェレスじゃないけれど
彼に並ぶほどの魔法使いに違いない
君の指導を熱心に聞いてきた僕
その成果をいつか見せてあげよう

僕は君の指に包まれる

悪魔と青く深い海が僕の背後に迫る
僕は空気の中へ溶けてなくなり君はもう追ってこられない
君の顔を大理石の像に変えてやったら
かつての奴隷が主人になったことを思い知るだろう

そして君は僕の指に包まれる


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