ホームページ

Internet ブームにはまったくもって驚かされたが、さらに驚いたことは誰も彼もがホームページを持ちたがるということだった。 ところがどっこい Web ページを開くほどのコンテントがある訳もなく、そのほとんどが非常につまらないものになってしまっている。 しかも、ただ中身がないだけならいいのだが、そういう中身のないページに限って飾りが派手であるという欠点を持つ。

よく考えないで作られたページに多いのが、フロントページが非常に大きいということである。 ビットマップで作った巨大なタイトル、コンテントと関連がなく内容を理解する助けにならないイメージイラスト、文字とのコントラストをまったく無視した派手な背景、何ページにも渡ってスクロールしなければならないほど長いページ。 さらに MIDI や wav の再生が始まってしまうと手に負えない。 1ページのロードに100KB、200KBは当たり前という感のページもある。 これはもう、「二度と見に来ないでね」と言われているようなものだ。 サイズに関していえば、おそらくページの作成はローカルなディスクでやっているため、モデム経由だと全部の表示に3分かかっているなどということに気づかない、なんてこともあるのだろう。

続いて多いのが、必然性のないフレームの多用である。 フレームは、例えば長い文章の目次とか、多層階層をナビゲートするためのマップなどを、本文と並べて表示するのに有効な仕掛けだ。 Web ページ全体のインデックスなどをフレームを使って表示するという手法は、多くのページで利用されている。 ところがこのフレームのレイアウトは非常に難しく、下手をすると「ないほうがマシ」なページになってしまうことがしばしばなのである。 例えばインデックスと本文とのサイズのバランスの問題がある。 インデックスは並べて表示するのだから、できるだけ全体が見えるようにしたい。 だがインデックスフレームを大きくとりすぎると、本文フレームが小さくなりすぎて読みにくくなってしまう。 この比率は、ブラウザ画面が大きいときと小さいときでは変化してしかるべきシロモノだ。 だがそれほど考えてデザインされたページは少ない(すごく難しいしね)。 結果的に、ひどく中途半端なレイアウトのページになってしまうのである。 インデックス部分をビットマップで作成したページも多いが、あまり解決にはなっていない。 特にビットマップは、文字と違ってサイズを変更できないから、余計に悪い結果に終わることもある。

フレームの失敗で一番多いパターンが、インデックスをフレーム化するほどコンテントが多様でない、ということである。 そもそも並べて置かれたインデックスが便利なのは、コンテントの全体構造を把握するのが困難なほど大きいとか、複雑な構造をしているという場合である。 そうでない、多少のコンテントでインデックスを付けても、大して役に立たないばかりか、レイアウト的問題を抱えるだけ無駄が多くなってしまうのだ。

他にも細かな問題がたくさんある。 イメージにサイズが指定してないのでロードが終わるまでページが表示されないとか、 色づかいが無茶苦茶で読めないとか、 画面が1024x768以上ないとうまく表示できないページとか、 文章が日本語になっていなくてさっぱり意味が分からないとか、 どうせ日本人しか読まないのに「Japanese Only」と書いてあるとか(直訳すれば「日本人専用」、意訳すれば「外国人お断り」。問題ないのかな?)、 めったやたらに Animate-GIF を使いまくるとか、 バグだらけの JavaScript を無理矢理起動しちゃうとか(IEだと動くらしい)…。

きりがないからこのへんで。

Aug-22-1997


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